人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第203回『小人閑居にして不善を為す』(大学)

これは『大学』に記されている、人間の本質を鋭く見抜いた言葉です。

人は誰しも、一人になった時についつい気が緩んでしまうものです

誰も見ていないからと油断して、余計なことを考えたり、

普段なら絶対にしないような良くないことに心が向いてしまったりします

現代に生きる私たちも、一人の時間に「魔が差す」経験は

誰にでもあるのではないでしょうか。

 

 だからこそ、同じく『大学』には「慎独」という大切な教えがあります。

これは「一人の時こそ慎みなさい」という意味で、誰も見ていない時にこそ、

その人の真の人格が現れるという深い洞察に基づいています。


慎独とは、単に悪いことをしないということではありません。

常に身辺を整え、誰が見ても誤解を招かないような在り方を心がける。

そして一人の時間を自分を高める機会として捉え、読書や瞑想、

日を振り返る反省の時間として活用することのように思います。

いつでも人に見られて恥ずかしくない心の在り方、言葉遣い、行動を保ちながら、

静寂の中で自分の内面を見つめる時間を大切にする。これが慎独かと感じています。


昔から人間の本質は変わらないものですね。完璧な人間など存在しないからこそ、

「魔が差してしまう」ことがあるのも、また私たちの性(さが)なのでしょう。

大切なのは、そうした自分の弱さを認めながらも、それに流されることなく、

日々自分を磨き続けていくことではないでしょうか。

古人の智慧に学びながら、引き続き自分を高める歩みを続けていけたらと思います。



参考文献:『大学に学ぶ人間学』(田口佳史著 致知出版社)

 


茅ヶ崎 第六天神社