老子では「道(タオ)」という宇宙の根源から物事を見ることを伝えており、
現代社会において我々人間が幻想で抱いている視点などは、
宇宙の根源からすると一見真逆のように映ることも多々あるように感じます。
だからこそ、本当は宇宙の根源は、ものすごくシンプルなのかもしれませんね。
今回、老子の微明第36章における「柔弱は剛強に勝つ」という言葉もその最たるものかと思います。
一見、世の中では強いものが弱いものを支配し、勝つと信じられていますし、
ある側面ではそれも一理あるように思います。ただ、固くて強いものは、
結局はぽっきり折れてしまう可能性もありますし、
逆に柔軟なものは、しなやかに元に戻る可能性が高いです。
それは、竹のようにしなやかに曲がりますが、折れないことで復元する力を備えているからです。
これは武道でも同じで、パワーで力づくの巨大な選手を、
小さいけれど本当の力を備えている合気道や空手のマスターが抑え込むような構図と重なります。
日常生活でも同様です。人間関係では、頑固に自分の意見を押し通そうとする人より、
相手の話をしっかり聞いて柔軟に対応できる人の方が、最終的により良い関係を築けます。
仕事においても、一つのやり方に固執する完璧主義者より、
状況に応じて臨機応変に対応できる人の方が良い成果を上げることが多いものです。
子育てでも「絶対にこうしなさい」と厳格にルールを押し付けるより、
子どもの気持ちや状況を理解して柔軟に対応する方が、結果的に良い関係性が生まれます。
まさに宇宙の真理はそのような側面があると思われます。
そのような物事の本質をより老子を通じて学び、感じることで、
生きる力や在り方が変わってくるように思います。
私も老子を読み出して、より本質が腹落ちしてくるようになりましたし、
とても生きることが楽になってきました。本当に有難い書物です。
参考文献:『ビジネスリーダーのための老子道徳経講義』(田口佳史著 致知出版社)

神楽坂 善國寺