人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第209回『六然観』(良寛)

良寛和尚は江戸時代後期、越後の国に生きた曹洞宗の僧侶でありながら、

歌人、漢詩人、書家としても活躍された多才な方です。

質素な暮らしと清貧の思想を貫きながらも、子供たちと親しく遊ぶなど、

大らかで慈愛に満ちた人柄で多くの人々に愛されました。

 

そんな良寛さんが、人としての理想的な生き方を表現したものが『六然観』(りくぜんかん)です。

私も深く愛する言葉で、何度も暗唱しながら、その意味が心の奥深くまで染み入るよう、

味わいながら身体に覚えさせてきました。


超然として天に任せ(俗世間から離れ、天の意に身を委ねる)

悠然として道を楽しむ(落ち着いてゆったりと、自然体で人生を歩む)

厳然として自らを慎み(威厳を保ち、凛として気高く身を律する)

靄然(あいぜん)として人に接し(和やかな気持ちで、温かく人と向き合う)

毅然として節を持し(意志を強く持ち、信念に揺るがない)

泰然として難に処す(困難にも動じない、不動の心を保つ)


この六つの在り方を見つめていると、まさに武士道を貫く侍のような凛とした強さと、

同時に優しい母のような慈愛を併せ持つ、そんな人間像が浮かび上がってきます。

奥が深く、味わい深いこの教えに少しでも近づけるよう、

これからも魂を磨いていきたいと思います。
 

参考文献:『良寛 軽やかな生き方』(境野勝悟著、三笠書房)
 
 


北口本宮富士浅間神社