人間関係は常に変化し続けるものです。
その中で私たちは多くの大切なことを学びますが、
同時に喜びもあれば苦しみや葛藤もあり、様々な感情が人間関係を通じて引き出されます。
幸せな人生を送っている方は、きっと人間関係の達人なのかもしれません。
良好な人間関係を長期的に築いていくことは、決して容易ではありませんが、
人生の智慧が詰まった『菜根譚』(さいこんたん)には、
それに関する至言が数多く記されています。
今回は、その中から人間関係の要点を表した一文をご紹介いたします。
「人の小過を責めず 人の陰私を発かず 人の旧悪を念わず」
(ひとのしょうかをせめず ひとのいんしをあばかず、ひとのきゅうあくをおもわず)
私たちはつい、人の悪いところや欠点が見えると、責めたり距離を置いたりしがちです。
もちろん、深刻な問題がある場合は離れることも必要かもしれませんが、
まずは状況を見極めながら、人を責めずにゆるすということの大切さを、
ここでは説いているのでしょう。
「陰私を発(あば)かず」とは、誰にも触れられたくないデリケートな部分があることを理解し、
気づいても静かに見守ることが真の愛情だということかもしれません。
「旧悪を念(おも)わず」とは、誰にでも過去の古傷や辛い経験があることを受け入れ、
それをいちいち掘り返したりしないということでしょう。
私たちは人間関係において、つい自分の保身を考えがちです。
本当の意味で相手の立場に立つということは、実は非常に難しいことです。
だからこそ、相手が本当に辛い時に、その人の気持ちに寄り添えるような人間になりたいと思います。
少しでもそのような人間に近づけるよう、心を磨いていきたいと思います。
参考文献:
『決定版 菜根譚』(守屋洋著、PHP)
『中国古典 一日一言』(守屋洋著、PHP)
『超訳 菜根譚』(境野勝悟著、三笠書房)

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