人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第211回『有漏有漏(うろうろ)』(仏教)

小学生の頃、通知表には6年間毎回、担任の先生から「落ち着きがありません」と書かれていました。

母にも「ウロウロしないで、ちゃんと家に帰ってきなさい!」とよく怒られたものです。

振り返れば、人生ずっとウロウロ、フラフラしてきた気がします。

それでもなんとか無事に生きてこれたのは、本当に不思議ですね(笑)。

ご先祖様の御加護かもしれません。

 

忙しさと「有漏(うろう)」

さて、本日の言葉は、この「ウロウロ」です。

私たちはつい「忙しい、忙しい」と口にしてしまいます。

忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書くように、まさに心ここにあらずの状態。

仏教で言う「有漏有漏(うろうろ)するな!」とは、このことなのでしょう。


仏教では、煩悩や迷いの世界にいる状態を「有漏(うろう)と言います。

反対に、体の穴から知恵が漏れない人のことを「無漏(むろう)」と言うそうです。

これは仏様や菩薩のように「悟りを開いた人」を指します。

煩悩や迷いは、人間の肉体的本能や潜在意識から知らず知らずに漏れ出てくるものとして、

「漏(ろ)」と名付けられたのだとか。


一休禅師の教え

ある人が一休禅師に「どうして一休と名をつけたのですか」と尋ねたところ、

次の歌を詠んで答えられたそうです。

「有漏地より無漏地にかかる一休(ひとやすみ)雨降らば降れ風吹かば吹け」

「これまで私がたどってきた道は迷いの道だったが、ここで一休みした後は、いよいよ悟りの世界へ向かうのだ」

そんな深い意味が込められているのでしょう。
 
参考文献:
『ボケット般若心経』(大栗道榮著、中経文庫)
『暮らしに生きる仏教語辞典』(国書刊行会)
 


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