人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第219回『信言は美ならず、美言は信ならず』(老子)

生成AIが日常に浸透し、柔らかく優しい言葉があふれる今。

その「高い共感力」は魅力的ですが、老子のこの言葉は、

本質を見極めることの大切さを問いかけているように感じます。

本当に役立つ言葉は、必ずしも心地よい褒め言葉ではない。

褒められれば誰でも嬉しい。

でも、その言葉に酔いしれると、相手の本音を見逃してしまいます。

本当に必要な言葉は、ときに耳が痛いものだったりするものです。

時代は成熟し、みんな穏やかになった印象を受けます。

でも同時に、厳しいことを言ってくれる人も減ったように感じます。

年齢を重ねるほど、ズバッと本音で言ってくれる人は減っていきます。

だからこそ、率直に伝えてくれる言葉が存在や言葉がありがたく響くのかもしれません。

老子の時代から本質は変わっていないのに、時代の空気だけが変化している―

そんなことを考えさせられます。

今こういった時代だからこそ、日頃から本音で話し合える関係性を築くことが、

大事なのかなと思います。

本音で向き合い、寄り添ってくれる家族や友人、そして師や先生、

改めてその大切さを感じます。

 


参考文献『老子 荘子 新釈漢文大系』(明治書院)

 

 

 

埼玉県 中山神社