人間はこの社会の中で、さまざまな状況に葛藤したり、苦しんだりしています。
これは世界中の人たちが同様に感じていることでもあります。
四苦八苦
昔から仏教では「四苦八苦」という言葉があります。
これは「生・老・病・死」という肉体の苦しみで、世界中の誰もが体験することです。
他には、心の苦しみが四つあります。
一つ目は「愛別離苦」といい、どんなに愛している恋人や家族とも、
いつかは別れる日が来るという苦しみ。本当につらいことですよね。
二つ目は「怨憎会苦」といい、二度と顔を見たくないと思うような相手とも、
必ず会わなければいけないという苦しみ。まさにこれが修行ですね。
三つ目は「求不得苦」といい、何かを欲しいと思っても得られない苦しみ。
これも、生き地獄かと思うような気持ちになりますよね。
四つ目が「五蘊盛苦」といい、健康で精力があふれているのに、
そのはけ口のない苦しみ。これも体験しないとわかりませんよね。
すべては世界中のどんな人にも訪れるもので、避けられないものだからこそ、
この世で私たちが体験するべきことなんだと思います。
参考 『第35回 四苦八苦』(仏教)
無明を照らす
今回ご紹介する空海の言葉、「心病の本はただ一つ、無明(むみょう)これなり」を、
私が尊敬する高野山真言宗傳燈大阿闍梨である大栗道榮和尚は、
「心の病気の根本はただ一つ、道理に暗いことである」と仰っています。
ここでいう道理とは「宇宙の道理」のことでもあります。
本来は、この宇宙の道理をしっかり修めれば、
すべての人は悟りを得て幸せに生きられるはずです。
なのに、私たちはなかなかその道理を知らずに、欲にまみれ、怒り散らし、
愚痴ばかり言ってしまう心があります。
だからこそ、この宇宙の道理を学ぶ喜びがあり、
変化していくことに感謝が湧いてくるのかもしれませんね。
少しでもこのブログがお役に立てれば嬉しいです。
参考文献:『弘法大師空海のことば』(大栗道榮、すずき出版)
『秘密曼荼羅十住心論』(空海)

高尾山