人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第231回 『心病の本はただ一つ、無明(むみょう)これなり』(空海)

人間はこの社会の中で、さまざまな状況に葛藤したり、苦しんだりしています。

これは世界中の人たちが同様に感じていることでもあります。


四苦八苦

 


昔から仏教では「四苦八苦」という言葉があります。

これは「生・老・病・死」という肉体の苦しみで、世界中の誰もが体験することです。

他には、心の苦しみが四つあります。


一つ目は「愛別離苦」といい、どんなに愛している恋人や家族とも、

いつかは別れる日が来るという苦しみ。本当につらいことですよね。

二つ目は「怨憎会苦」といい、二度と顔を見たくないと思うような相手とも、

必ず会わなければいけないという苦しみ。まさにこれが修行ですね。

三つ目は「求不得苦」といい、何かを欲しいと思っても得られない苦しみ。

これも、生き地獄かと思うような気持ちになりますよね。

四つ目が「五蘊盛苦」といい、健康で精力があふれているのに、

そのはけ口のない苦しみ。これも体験しないとわかりませんよね。


すべては世界中のどんな人にも訪れるもので、避けられないものだからこそ、

この世で私たちが体験するべきことなんだと思います。


参考 『第35回 四苦八苦』(仏教)

無明を照らす


今回ご紹介する空海の言葉、「心病の本はただ一つ、無明(むみょう)これなり」を、

私が尊敬する高野山真言宗傳燈大阿闍梨である大栗道榮和尚は、

「心の病気の根本はただ一つ、道理に暗いことである」と仰っています。


ここでいう道理とは「宇宙の道理」のことでもあります。

本来は、この宇宙の道理をしっかり修めれば、

すべての人は悟りを得て幸せに生きられるはずです。

なのに、私たちはなかなかその道理を知らずに、欲にまみれ、怒り散らし、

愚痴ばかり言ってしまう心があります。

だからこそ、この宇宙の道理を学ぶ喜びがあり、

変化していくことに感謝が湧いてくるのかもしれませんね。


少しでもこのブログがお役に立てれば嬉しいです。


参考文献:『弘法大師空海のことば』(大栗道榮、すずき出版)
               『秘密曼荼羅十住心論』(空海)

 

 


高尾山