皆さん、こんにちは。
今回取り上げるのは、対人関係において古くから大切にされてきた一句です。
実はこの言葉、弘法大師ご自身の作ではありません。
後漢の文人・崔子玉が著した座右の銘の一節であり、
弘法さんが深く心に刻んでいたと伝えられています。
高野山の霊宝館には、弘法さんが草書でしたためたこの文章が今も展示されています。
忠告と陰口の違い
人の短所を本人に直接伝えることは、
相手を思っての忠告であり、悪口とは異なります。
しかしそれでも、伝え方や言葉の選び方を誤れば、
相手の心を傷つけ、恨みを買うこともあります。
まして、本人のいない場で陰口を叩けば、それはいつか必ず本人の耳に届くもの。
陰口は、人間関係において最も慎むべき行いといえるでしょう。
とはいえ、ついつい他人のことを話題にしてしまうのもまた、
人間の正直な姿です。ゴシップがこれほど尽きないのは、
それが人の本能に近いところにあるからかもしれません。
深く反省しながらも、そう思わずにはいられません。
弘法さんがこの言葉を大切にした理由
当時の弘法さんを取り巻く環境を想像すると、
この言葉の重みがより伝わってきます。
卓越した書の才能を持ち、嵯峨天皇からも厚く信頼された弘法さんは、
他の僧侶たちの羨望や嫉妬を一身に受けていたことでしょう。
だからこそ、自らを戒めるためにこの一句を座右の銘として大切にしたのではないか
そんな想像が自然と浮かんできます。
この言葉を、胸の奥にしっかりと刻んでいきたいと思います。
参考文献
『弘法大師空海のことば』(大栗道榮著、すずき出版)

今年は家族で田植えに参加
お米の有難みが身に沁みました