今回は東洋思想とは少し異なりますが、深く関連する部分もある一冊をご紹介します
私の愛読書の一つに『アホは神の望み』という本があります。
著者は世界的な遺伝子研究で著名な村上和雄先生です。
以前、出版関係のお仕事でご縁をいただき、短い間でしたが、
大変お世話になりました。
2021年に惜しまれつつお亡くなりになりましたが、
『サムシング・グレート』をはじめ数多くのベストセラーを世に送り出された方です。
熱心な天理教信者のご家庭で育たれた先生は、温かい信仰心をベースに、
人を包み込むような陽気で慎み深い愛にあふれた素敵な方でした。
神のほんとうの望みとは・・・
この本の最後に書かれた言葉が特に素晴らしく、心に深く響きます。
『神の真の望みとは何か。それは「つつしみの心」、すなわち「おかげさま」の心です。
そしてもう一つは「愚かさを守る心」ではないでしょうか 』
と先生は言います。加えて
『小利口でこざかしい知識や知恵、駆け引きや計略、私利私欲や傲慢さ、
おごりや増長、攻撃性や支配性、鋭いが冷たい理知━━
そうしたものとは距離を置きながら、目に見えないものを信じ、先を急がず、
ゆったりと構え、学問や知識は多くなくても、自分の信じる道を正直に地道に歩み、
手間を惜しまず、回り道をいとわない。
時代遅れで融通も利かず、利にも疎いが、焦らず、いばらず、くさらず、
わずかなことで満足を覚え、不平不満よりは感謝の言葉が多く、
いつもニコニコと笑みを絶やさず、でくのぼうのようなぬくもりをにじませつつ、
人を裁くよりは許して、「自分などたいした人間ではない」と自己への戒めを忘れず、
(中略)
命とは何か、生きるとは何かについて時間をかけてゆっくり考え、
大きな回路をぐるりと巡って、大きな答えにたどり着く。
(中略)
そんな鈍く、遅く、重い生き方をしながら、自分の中の「愚」をひそかにしっかりと守ること。
その深く大きな愚かを一生涯かけて貫くこと。
神が望んでいるのは、そういう生き方なのではないでしょうか。』
この文章を初めて読んだとき、不思議と涙が止まりませんでした。
決して器用ではない私にとって、まさに自分のことを書いてくださったのではないかと、
本当に胸が温かい気持ちになったのです。
ふとこの本のことを思い出し、多くの方にもご紹介したくなりました。
参考文献:『アホは神の望み』(村上和雄著 サンマーク出版)

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